『大いなる米印伝説』ギャスブレス

『大いなる米印伝説』ギャスブレス
のどかで平和な町『ちゃお』。以前は『リボン』という名前の町だったが、町長の娘の『わたし、リボンよりちゃお派なんだあ。』の一言で変わったのだ。人々は仲良く暮らし、広大な土地を利用してのメロン栽培。それを町の大通りにある工場で加工して、メロンソーダを生産し、生活している。
そんなちゃおにも千年前から言い伝えられている伝説がある。人々の悪の心が少しずつ集まって生まれた悪の化身『メズーサエリカ』が、悪の限りをつくしていた。だが、突如現れた勇者によって、メズーサエリカは宝石『メロソ』に封印された。
ある日、町の聖なる教会に保管してあるメロソを、町の小悪党ニタマゴが盗み出してしまった❗
『やったぞ❗これをカスミにプレゼントすれば、アイツはオレのもんだ❗』
カスミは病に倒れた父親のために、毎日せっせと働くがんばり屋で町一番の美女。明るい笑顔で町中で人気者なのだ。ニタマゴはカスミを振り向かせようと必死だった。
『カスミ、この宝石、おまえにやるよ❗』
『そんな高そうなもの、いただけません。』
『オレがどれだけ苦労して、宝石を持ってきてやったと思ってるんだ❗』
ニタマゴが激怒した。怒りの負のエネルギーを受けた宝石が黒い光を放ち、どす黒い霧がニタマゴを包んだ。
『うわあああーー❗たっ、たすけてー❗』
霧の中に消えたニタマゴ。霧はどんどん大きく膨らんで、町の時計台よりも高くなった。そして、霧の中から黒い体を持つドラゴンが現れたのだ。
かつて、メズーサの魔力で生まれ、暴れまわった【邪竜ニタマゴ】が復活したのだ。黒い炎を口から吐いて、町を破壊していく。
『だっ、だれかたすけてー❗』
『・・・・・待て』
時計台の上に町の整体師の米印先生が立っていたのだ。御年八十一歳。どんな病も治してしまう整体師は、伝説の【勇者コメジルシ】の末裔だったのだ。
『悪者は、おれが、この、米印の剣で、やっつけてやる』
人間の背骨のような形をした剣をかまえ、時計台から大ジャンプ。邪竜へ飛びかかり、光り輝く剣で一閃。
『タテヨコナナメに斬りかかる、これぞ、必殺米印スラッシュ八十一式。』
『グギャアアアアーーーー❗』
邪竜は体をタテヨコナナメに斬り裂かれ、霧になって消えた。町に平和が戻った。『ありがとう、米印先生!』
カスミや町の人達がお礼を言った。この伝説はいつまでも語り継がれるだろう。

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