村野将さんの「トランプ政権が進める核・ミサイル防衛

村野将さんの「トランプ政権が進める核・ミサイル防衛政策見直しの行方(前編)」という興味深い記事がありましたのでご紹介いたします。

トランプ政権発足後から国防政策に関する包括的な見直しを実施しているらしく、今回の記事はいくつかあるうちの「核態勢見直し(NPR)」と「ミサイル防衛見直し(BMDR)」を取り上げ、今注目されているこれらの文書は年内に公表される可能性あり、ロシア、中国、北朝鮮などの関係を見据えながら、トランプ政権の方向性を分析されています。前編では「核態勢見直し(NPR)」を取り上げています。

以下引用

(通常兵器による核搭載トレーラーなどの核搭載兵器の無力化の困難性)[書き足し]
こうした状況を打開するためには、核を先制使用せざるをえなくなるケースが想定されるが、ミニットマン3に搭載されているW87核弾頭の出力は300キロトン、トライデントD5搭載のW76-1でも最低100キロトン(※広島型原爆が約15キロトン)と極めて爆発力が大きいことから、付随被害を抑えて武装解除に使用する場合のハードルは自ずと高くなってしまう。他方、核爆弾を搭載可能な戦術航空機(Dual Capable Aircraft:DCA)の進出速度の遅さを踏まえると、DCAと戦術核の組み合わせは即時的武装解除には適していない。その点、弾道ミサイル搭載の低出力核は即応性と適格な破壊力を併せ持つことになる。

引用終了

などと、かなり専門的ですが、先制核攻撃として、即応性やあまり大きすぎない核(戦術核)の運用を言及されており、日本では全く注目されていない空中発射型核巡航ミサイル(ALCM)の開発継続に注目し、有効性やF35の運用についても以下のように触れられています。

以下引用

核兵器の設計を担当するサンディア国立研究所の関係者によれば、B61-12は0.3 ~1.5~10~50キロトンと核出力を4段階に変更でき、なおかつGPSとレーザー誘導によって誤差30mの命中精度を実現する初の精密誘導核爆弾とされ、既に旧B61シリーズからの更新がかなり進んでいるという。そしてこのB61-12はF-35のウェポンベイに収まるよう設計されている。つまりF-35は、機体側のシステム統合と、新型核爆弾の更新をもって2024年頃にDCA能力を獲得することになる。

引用終了

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