(続き)村野将さんの「トランプ政権が進める核・ミサイ

(続き)村野将さんの「トランプ政権が進める核・ミサイル防衛政策見直しを行方」(後編)
今回は、後編ということで、「ミサイル防衛見直し(BMDR)」について解説されています。
近年における大きな変化は「弾道ミサイル防衛」(BMD)から「統合防空・ミサイル防衛」(IAMD)への変化であり、今や弾道ミサイルだけではなく、巡航ミサイル、極超音速滑空弾への対処能力も求められ、江崎先生などが中国の対日戦略として、ショートシャープウォー、短期激烈決戦のミサイルによる飽和攻撃が懸念されると指摘されていましたが、その通りで、今や弾道ミサイルだけが脅威というわけではなくなってきている訳です。その上で、迎撃ミサイルもこれら広範的な対処能力が求められているのです。

以下引用

第三の注目点は、弾道ミサイル迎撃の精度向上に寄与する宇宙配備センサーシステムの強化である。現在、BMDにおける最大の技術的課題は、ミッドコースにおける目標識別だと言われている。発射直後のブースト・フェイズにある弾道ミサイルは、エンジンの燃焼によって強い赤外線を発していることや目標自体が大きいことから、探知や追尾はさほど難しくない。しかしエンジンの燃焼終了とともに、大気圏外を飛翔するミッドコース・フェイズに入ると、赤外線反応は弱まり、なおかつ加速に用いたブースターの分離が始まるため、追尾しなければならない目標のサイズが徐々に小さくなっていく。また、弾頭を保護しているフェアリングの分離や、迎撃を難しくさせるデコイ(囮)の放出、多弾頭の切り離しなどもミッドコースで行われる。こうした状況下で迎撃を成功させるには、分離した各種部品やデコイなどと一緒に大気圏外を移動する本物の弾頭を正確に識別し、迎撃ミサイルを適格に誘導する必要があるが、現在これらの追尾・識別を行うBMD用センサーの殆どが洋上や陸上に配備されていることから、探知範囲に限界がある。そこでミサイル防衛局は、これらに必要なセンサーを宇宙に配備し、ミッドコースでの識別能力を向上させようとしている。

引用終了

専門的で取っ付きにくいかもしれませんが、ミサイルディフェンスにおいて、早期警戒衛星などの熱源探知は弾道ミサイル対処における重要な役割を担っています。しかし、BMDシステム連接や米国も予算が組めないことで問題が多々あり、トランプ政権がどのように対応するか注目です

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